2008-03-30

青い直感

久しぶりに妻とデート。

新婚旅行でラスベガスに立ち寄った際、
宿泊していたホテルヴェネチアン。

そのホテルで開催されていた
「BLUE MAN GROUP」のショーが
とても気になっていたのだが、
残念ながら、時間と他のショーとの関係で諦めていた。

その「BLUE MAN」が、
昨年より東京公演を行っている。

TVや雑誌などに大量露出しているので、
目にしたこともあると思うが、
あのツルツルテカテカの
青い3人組のエンターテナーである。

気になって、気になって
仕方がなかったのだが、
なかなか行くタイミングが無く、
また諦めるところだったが、
東京公演も終わりが見えてきた今日、
ようやく念願が叶った。

六本木ヒルズの隣り、
最近良く耳に(目に?)する芋洗坂沿いの
真っ青の専用劇場へ。

ヒルズ自体に足を運ぶのも、
森タワーに(当時は)本社を構えていた
某会社さんのミーティングに同席するために、
前職で訪れて以来・・・である。

非常階段のようなアプローチを昇り、
ヒルズを背にしたブリッジを渡ると、
目の前に無機質な外観の劇場が飛び込んでくる。

扉をくぐって中に入ってからは、
・・・もうコトバでは表現できない
最高のエンターテインメントだった。

青い人たちが一切コトバを発しないから、
当然といえば、当然であるが。

アクションと表情としぐさと、
笑いのセンスと、そして音楽と。

説明や難しい背景などいらない、
まさに直感だけで楽しめる空間が、
これほど心地良いものなんだ
・・・とカラダ全体で体感した120分。

今後、
ボクがデザインする諸々のツールや広告も、
この「直感でわかる」かどうかを、
大きな判断基準として、
捉えていきたい。


<今日の逸品>
我が小隊の心の故郷であった
徳島にある隠れ家。
その店のママが、
ガンと闘うために店を閉めたことを、
小隊長からのメールで知る・・・。
手術の成功と、快気を願って、
当時闘っていた戦場のチラシを
ここに捧げます。

2008-03-27

親愛なる・・・

親友Kと、
夕飯を食べていたときの話。

人間、歳を重ねていくと、
心の底から想いや心配事などを
共有できる人が減っていくね・・・とK氏。

今までは、
ひとりで行動すること・・・
公園を散策したり、ラーメン屋に入ったり
なんて、全く考えられなかったけど、
30歳を超えた頃から平気になった・・・とK氏。

確かにそうかもしれない。

小学校から中学、高校、大学と、
それぞれ親友と呼べる友がすぐ横にいた。

社会人になって、
同期や先輩、後輩ができて、
転職して、また同士やパートナーができて、
今現在も、本当に多くのヒトたちに支えられて、
毎日、毎日を歩んでいる。

彼ら、彼女ら全員、
メールをすれば、電話を掛ければ、
会って話ができる友人であることには変わりない。

けれど、K氏が言うように、
ありのままの自分を表に出して、
話ができるヒトは限られる。

いざというときに、
メールをしている相手が
実は本当に限られていることに気がついた。

それは、
自分自身がオトナになり強くなって、
多くの人に支えられなくても、
生きていけるようになったからではない。

自分でも気がつかないうちに、
居心地のいい場所を求めてきた結果、
選択肢が狭くなった、というより、
絞られてきた・・・ということなんだろう。

家族ができて、
これから子供ができて、
定年して、老後を迎えて、
そして死んでいくまでの残り60年、
(以前、ある人に寿命95歳と告げられたので・・・)
親友と呼べる、
字の通り“親愛なる友”を
家族の次に、
いや同じくらい大事にしていきたい。

そんなことを考えなから、
また明日からの元気をもらった
小田原行き最終電車の夜・・・。


<今日の逸品>
ある東北の会社さんの
現場見学会のチラシ。
モデルハウス、現場とも、
その見所を提示してあげることで、
来場UPにつながり、
また自分で用意した
営業のレールにも乗りやすくなる。
昔も今も変わらない法則。

2008-03-25

現実と虚構の境界

今日はデザイン業務の
大部分を画像加工に費やす。

平面図の中に、
本来あるはずのない
ドアや腰壁を出現させたり、
写真に写っていては具合の悪い
代物を削除したり、
曇り空を青空にしたり・・・。

元々細かい作業は
苦にならないほうなので、
数百倍に拡大したドットを
チマチマと修正しては、
全体画面で確認して、
またチマチマと・・・を繰り返す。

ここまでくると、
グラフィックデザイナーというよりは、
国宝の傷みを修復する修繕技師や、
米粒に絵を描く職人に近い領域である。

途方も無く過ぎていく時間の中で、
どこでOKとするかの判断が難しい。

それにしても、この画像加工
・・・ある意味反則である。

履歴書に貼る自分の顔写真を、
納得がいくように修正する学生・・・。

写真展で最優秀賞を獲得した作品
(たしか鉄橋を渡る汽車の下の河原を
群れで走る鹿の写真だったと思う・・・)が、
その後合成写真だったことが判明・・・。

グラビア写真やアイドルの写真集で、
シミやしわを消したり、顔色を良くしたり・・・
の加工は既に常識・・・。

映像の中でも、映画の世界でも、
もはやどれが本物でどれがCGなのか
区別が付かなくなっている・・・。

加工技術が進歩していく中で、
それを受け止めるヒトも、
本物を見極める目を
磨いていかなければならない。

まぁ、個人的には、
偽者を偽者と宣言して、
それを承知した上で受け入れるのは
アリだと思うが・・・。


<今日の逸品>
昨日に引き続き、“季節”つながり。
四季を楽しめる分譲地、
ロゴデザインのイメージボード。
特徴のない分譲地が、
後付けコンセプトで生まれ変わった例。

2008-03-24

さくらひらひら

東京に続いて、
横浜の桜も開花宣言された。

桜咲く四月に
この世に生を受け、
同じく四月が誕生日の妻と、
四月に籍を入れたボクは、
この桜の季節が特別な季節となっている。

我が家から大船駅まで続く
砂押川プロムナードの桜がポツリポツリと彩ると、
いろんな想いがプレイバックしてくる。

それは良い記憶ばかりではなく、
ずっと引っかかる棘も抱えてのことではあるが・・・。

「次、この桜が咲く頃には帰ってくるよ」

約束通り帰ってたら、
また違った人生を歩んでたのかもしれない。

あと20年でタイムマシンが
開発されるという話が、
どこかの雑誌に出ていたが、
そのときは、ゲームでリセットするように、
あのときから分岐した
もうひとつの人生を試してみよう。

sacraが歌う「イエスタデイ」のメロディを
アタマの中でくるくる繰り返しながら、
iMacのマウスを動かす
雨上がりの春風香る一日。

♪♪♪
桜並木の下で
逢いましょう
そして季節は
巡り来るでしょう
涙色した
嗚呼 雨の中で
思い出すイエスタデイ・・・


<今日の逸品>
畳屋さんの販促支援プログラムを終えた際、
卒業証書代わりにお渡しする
全ての販促デザインを収めた
卒業CDのラベル。
春夏秋冬ある中の春バージョン。

2008-03-21

神隠し

ここ1ヶ月くらい、
自宅で仕事をしていると、
ギーガガガガ・・・
ガシュガシュガシュガシュ・・・
ザザザッザッザ・・・
と、工事車両の音がウルサイので、
iPodで音楽を聴きながらの
デザイン業務が続いている。

自宅前の砂押川で
護岸補強工事を行っているせいで、
3月中には終わる予定だった。

いつも朝の8時半頃から聞こえ出す
この機械音が今日は聞こえず、
変わりに人の声、しかも複数の大きな声が聞こえる。

カーテンを開けて外の様子を伺うと、
そこには3人の警察官と、
いつもの工事のおじさん2人、
ガードマンさん、近所の奥さんたちが、
携帯電話を掛けたり、走り回ったり、
大きなジェスチャーで会話したりと、
なにやら尋常ではない風景。

そうこうしているうちに、
我が家のインターホンが鳴る。

「私、神奈川県警のこういうものですが。」

テレビドラマでよく見る光景・・・。
「あぶない刑事」の柴田恭平演じる
大下ユウジに憧れていたので、
不謹慎ながらもちょっとワクワクする。

警察手帳を見せた刑事が続ける。

「最近ここ(我が家の目の前)に駐車していた
工事用のパワーショベルが、
昨夜のうちに盗まれてしまったんですよ。
近所の方に聞き込みをしているんですが、
夜中に何か物音とかしませんでした?」

なにぃ??
いつも車で外出する際に
邪魔だったあのユンボがぁ??

アタマの中をクルクルと
いろいろな記憶が回想する。

あのユンボが動いてるときは、
いつもウィーン、ガラガラガラガラってうるさかったよなぁ。

昨日の夜1時頃に、
そう言えばオトコの人の声がするって
妻が言ってたなぁ。

ユンボ、カギが付いていただろうに、
どうやって運んでいったんだろう。

あんなボロボロのユンボ、
危険を冒してまで盗んで、
それだけのメリットがあるのだろうか。

ユンボ、ゆんぼ、YUNBO?
なんでパワーショベルのことを
ユンボっていうんだろう・・・。

結局犯人は見つからず、
工事の業者さんは別の現場から
別のユンボを移動してきた。

毎年決まって
自分の自転車が神隠しに合う
マチクリメンバーもいるが、
まさかこんな目の前で、
しかもベンツでもレンジローバーでもなく、
黄色のユンボが神隠しに合うなんて・・・。

世の中、恐ろしいものである。

今回の件で、
1つわかったことがある。

「中古のユンボは5万円で買える」


<今日の逸品>
あるイベント後に記入いただくアンケート用紙。
エクセルで作られたありふれたアンケートも、
イラストレーターでちょっと手を加えれば、
それっぽく見栄えがよくなる。
余計な手間かもしれないが、
これで記入率が5%でも上がれば、
リデザインした甲斐があるというもの。

2008-03-19

からだ巡茶

最近、
カラダの調子が
すこぶる良い。

調子がいいというのは、
これまで決まって月2回くらいは
週末に熱を出していたのがなくなったり、
アトピー性皮膚炎が治まっていたり、
花粉症が例年ほどひどくなかったり、
体重の増減幅が小さくなったり
・・・である。

思い当たるフシはいくつかある。

1つ。
自宅でのデザイン業務の割合が増え、
そのペースに慣れてきたこと。

1つ。
上記に比例して外食が減り、
家でバランスの取れた食事を
取ることができるようになったこと。

1つ。
昨年、鯉ヘルペスにかかって以来、
漢方を取り入れた皮膚科に通い、
そこで調合された漢方薬を
毎日かかさず摂取していること。

1つ。
027氏に紹介された
アマゾンの健康パワーを
体内に取り入れていること。

1つ。
×××との○○○○が、
□□□□□□なこと・・・。

何が効いているのか、
相乗効果が起きているのか、
キモチの問題か、
その解明はできないが、
カラダの調子が良いと、
全てのサイクルが連鎖して
良い方向へと回り出すようなので、
とりあえず、
この生活リズムを
繰り返してみよう。

結果は、
また半年後くらいに報告します。


<今日の逸品>
以前ここで紹介した
ポケティ広告の別バージョン。
配布する場所を限定して、
その場所の特性を活かしたキャッチで、
お客様の心をなびかせる。
R25で知ったのだが、
ポケティ広告は日本だけの特殊な広告らしい。
なるほど、日本人らしい目の付け所だ。

2008-03-17

リリリデザイン

「リデザイン」

ボクの好きな言葉で、
最近は、いろいろな場面で、
様々な意味で使われる言葉だ。

教育環境のリデザイン。

文庫本表紙のリデザイン。

40代からのカラダ・リデザイン。

商店街コンセプトのリデザイン。

マチクリ用語としては、
既にカタチになっている
ツールや広告を、
見栄えよく、
使い勝手よく、
成果に繋がりやすく
再生すること・・・を意味する。

ゼロから企画を考えて、
アタマの中のアイデアを
アウトプットしていくデザインと違い、
このリデザインは
右脳を使う場面は少ない。

ボクの経験・体験の中や、
過去の作品データベースの中から、
ベストなテンプレートを引っ張り出してくる。

いったん完成しているデザインデータを、
写真・文字・図表などに全て分解し、
必要に応じて、手を加え、品を変え、
配置し直す。

場合によっては、
いらないパーツを削除し、
足りないコンテンツを追加作成する。

使用場面を想定して、
全体の構成やテイストを最後に調整し、
リデザインの出来上がり。

ん~結局、
かなりの右脳を使ってるようだ・・・。

時間のかかるリデザイン業務だが、
マチクリの提供するコンテンツと
切っても切れない関係にある。

終わりの見えない単純作業が続く
忍耐の時間帯もあるが、
リデザインが完了して
ビフォーアフターを見比べる瞬間は、
一味違った達成感がある。

今週はリデザイン・ウィーク。

だいぶ達成感を味わえそうだ。


<今日の逸品>
さまざまな種類のパースを並べただけ!?の
デザイナーズアパートメントの野立て看板。
これだけでは役割を果たさないが、
その他多くの看板と組み合わされることで、
ターゲットへメッセージを届ける。
空室待ちの人気物件。

2008-03-16

太陽と土のにおい

気温もグングン上がり、
いっきに春らしくなったので、
外で土と戯れる。

まずは、
土佐ブンタンの枝切り。

結婚した年の記念樹として、
義父が高知より飛行機で
運んできてくれた
土佐ブンタンの苗木。

放っておいた昨年、
奇跡的にも1個の果実がなり、
みんなでひと房ずつ味見をしたのだが、
果物栽培の専門書を読むと、
柑橘類は、3月に新芽部分を枝切することで、
その部分に花が咲き、
実を宿す・・・ということがわかった。

腰下くらいの高さだったブンタンも、
今では背の高さを超えている。

隣りにメインツリーとして植えたエゴの木も
あと少しで追い越す勢いである。

そんなブンタンの木に、
20箇所ほどハサミを入れたので、
うまくいけば、20個ほどのブンタンが収穫できる・・・はず。

まずは白い花が咲くよう、
大切に見守りたい。

その後、
1畳ほどの小さな家庭菜園に、
ジャガイモと白髪ネギを植える。

土に空気を入れるべく、
シャベルで引っ掻き回すと、
急に起こされた子供のように
大小のみみずくん達が
右往左往している。

母曰く、
みみずが生活する土は、
栄養分を多く含んでいるので、
野菜の栽培には適しているらしい。

こちらも食費の足しになるよう、
大切に育てたい。

余った1/4ほどのスペースは、
レタスの植え替え場所。

キリンレモンを買った際に、
総付けノベルティとしてレタスの種が付いてきたので、
小さな鉢で苗にまで成長したら植え替える。

説明書を読むと、
80%は確実に芽を出す
初心者向けの野菜らしい。

レタスかぁ・・・、
本格的な畑になってきたなぁ。

そして、
オシロイ花の種を植えて、
みかんの木を移動して、
駐車場の枕木と竜のひげの間に石を敷き詰めて、
黄砂で汚れた網戸を洗って、
車と自転車をみがいて・・・。

たまには青空の下で
長時間を過ごすのもキモチいいもんだ。

爪の中に入り込んだ土を取るのに、
相当苦労したが・・・。


<今日の逸品>
今は無き、東京の東のほうの住宅会社さんの、
標準仕様&設備メニューの表紙。
いろいろとデザインのノウハウを身にまとう以前から、
無意識にグリッド・システムや色の法則を使ってた。
けっこう、この無意識が重要だったりする。

2008-03-14

あるデザイナーのいる風景

マチクリ鎌倉デザインオフィス。

ここのところ、
週の5日はココで仕事をする
日々が続いているので、
だいぶサイクルを掴んできた。

ある平均的な1日。

--------------------------------------------
07:30 携帯のアラームで起床
      シャワーを浴びて目を覚ます
      ゴミをゴミ置き場へ
      朝日新聞を片手に、パンで朝食
--------------------------------------------
08:00 トクダネ小倉さんの声をBGMに掃除
      花粉シーズンなので布団乾燥機へ
--------------------------------------------
09:00 メールチェック
      今日のスケジュール確認など
--------------------------------------------
09:30 <デザイン業務>
--------------------------------------------
13:00 昼食
      郵便物のチェック
      洗濯モノをたたんで片付け
--------------------------------------------
13:30 <デザイン業務>
--------------------------------------------
15:30 コーヒーブレイク
      庭木に水やり
      <デザイン業務>
--------------------------------------------
17:00 病院へ見舞いに行く
      妻を仕事先へアッシーくん
--------------------------------------------
17:30 <デザイン業務>
      隣りの親世帯へお遣い
--------------------------------------------
22:00 妻を仕事場からアッシーくん
      テレビを見ながら夕食
      入浴という名のシャワー
      流れのままに風呂掃除
--------------------------------------------
23:00 <デザイン業務>
      日報という名のブログ執筆
      明日のスケジュールを確認
--------------------------------------------
25:00 いろいろと
--------------------------------------------
26:00 就寝
--------------------------------------------

こうして見ると、
デザイン時間を大幅に確保できるようになったのは当然だが、
毎日同じ時間に職場へ通勤していた頃よりも、
デザイン業務以外の“仕事”がとっても増えている・・・。

日々の充実感&疲れがハンパないのは
そのせいだったか。

もっと生産性をあげて、
行き着くところまで行ってみよう。

時給に換算するのは恐いけど・・・。


<今日の逸品>
あるチラシに掲載したイベントアイコン。
親子3人+犬・・・。
どこかで見た組み合わせだが、
オリジナルとはまた違った躍動感がある。
犬の口の開き具合で、
全体のバランスが取れている。

2008-03-12

マボロシという名の色

人が目で見ている世界って、
本当に存在するのだろうか。

最近、
お客さんとのやりとりや、
デザインの現場で、
“色”について訳がわからなくなることがある。

「きれいな青系の背景で!」

「春っぽい明るい華やかな色がいいな」

「都会的な落ち着いたイメージ」

いろいろな形容詞を駆使して、
自分のアタマの中にある“色”を
伝えようというするキモチはわかるのだが、
なかなかイメージ通りにいかない。

色はCMYKやRGBなど、
原色の組み合わせで数値化できるのだが、
これを利用して相手と同じ色をつくっても、
使っているパソコンのディスプレイや、
出力するプリンターの違い、
印字する紙などによって、
全く印象が違ってしまう。

同じ出力紙でも、
太陽の下で見える色と、
蛍光灯、白熱灯などの下で見る色とでは、
全て同じ色とは思えない。

先日、マチクリのHPなどを
強力にバックアップいただいている
先輩、いや親分と打合せをする機会があった。

親分は、緑と赤の区別がつきづらい
いわゆる色弱者なのだが、
通常の仕事に加えて、
カラーユニバーサルデザイン機構という
NPOの活動もこなす、まさに“親分”である。

そんな親分が使っているパソコンには、
マウスをのせるとその色が方位磁石のようにわかる
カラー判定機のようなものが付いており、
また、色弱者の方々が
際にどのように見えているのか
ボクたちにも体験できる
写真の見本がストックされている。

「ある紅葉の風景」・・・という写真を2枚見せてもらう。

1枚は、「そうだ京都いこう」・・・的な、
情緒溢れる晩秋の世界。

もう1枚は、
青々と緑の葉っぱを茂らせる
夏の木々が写っている。

「構図」が似ているなぁと感じたその2枚は、
全く同じ写真だという・・・。

・・・衝撃を受け、
冒頭の言葉がアタマをよぎる。

人が目で見ている世界って、
本当に存在するのだろうか。

答えはわからないが、
社会にあふれるいろいろな“色”の環境が、
多様な色彩感覚を持つ全ての人たちにとって、
やさしいものでなくてはならない。

自分のデザインを省みた春の一日。


<今日の逸品>
以前、北海道の分譲地で配布した
三つ折のリーフレット。
一番下、背景が緑色部分のコピーで、
目立たせようと「不満足度」を赤文字にしたのだが、
カラーユニバーサルデザイン的にはNGだったなぁ。
親分的には、「ナチュラルローソン」の緑に赤文字も
判別がしづらいということを教えていただいた。
・・・反省。

2008-03-10

戦争のつくりかた

絵本
戦争のつくりかた

あなたは戦争がどういうものか、
知っていますか?

おじいさんやおばあさんから、
むかしのことを聞いたことがあるかもしれません。

学校の先生が、
戦争の話をしてくれたかもしれません。

話に聞いたことはなくても、
テレビで、戦争している国を見たことなら、あるでしょう。

わたしたちの国は、
60年ちかくまえに、
「戦争しない」と決めました。

だからあなたは、
戦争のためになにかをしたことがありません。

でも、 国のしくみやきまりをすこしずつ変えていけば、
戦争しないと決めた国も、戦争できる国になります。

そのあいだには、たとえば、こんなことがおこります。

わたしたちの国を守るだけだった自衛隊が、
武器を持って よその国にでかけるようになります。

世界の平和を守るため、
戦争でこまっている人びとを助けるため、と言って。

せめられそうだと思ったら、
先にこっちからせめる、
とも言うようになります。

戦争のことは、
ほんの何人かの政府の人たちで決めていい、
というきまりを作ります。

ほかの人には、
「戦争することにしたよ」 と言います。

時間がなければ、 あとで。

政府が、戦争するとか、戦争するかもしれない、と決めると、
テレビやラジオや新聞は、
政府が発表したとおりのことを言うようになります。

政府につごうのわるいことは言わない、
というきまりも作ります。

みんなで、ふだんから、
戦争のときのための練習をします。

なんかへんだな、 と思っても、
「どうして?」 とは聞けません。
聞けるような感じではありません。

学校では、いい国民は何をしなければならないか、
をおそわります。

どんな国やどんな人が悪者か、もおそわります。

町のあちこちに、 カメラがつけられます。

いい国民ではない人を見つけるために。

わたしたちも、 おたがいを見張ります。
いい国民ではない人がまわりにいないか と。

だれかのことを、いい国民ではない人かも、
と思ったら、おまわりさんに知らせます。

おまわりさんは、
いい国民ではないかもしれない人をつかまえます。

戦争が起こったり起こりそうなときは、
お店の品物や、 あなたの家や土地を、
軍隊が自由に使える、というきまりを作ります。

いろんな人が軍隊の仕事を手伝う、というきまりも。

たとえば、飛行機のパイロット、お医者さん、看護師さん、
トラックの運転手さん、ガソリンスタンドの人、建設会社の人などです。

戦争には、お金がたくさんかかります。

そこで政府は、税金をふやしたり、
わたしたちのくらしのために使うはずのお金をへらしたり、
わたしたちからも借りたりして、お金を集めます。

みかたの国が戦争するときには、
お金をあげたりもします。

わたしたちの国の「憲法」は、
「戦争しない」 と決めています。

「憲法」は、政府がやるべきことと、
やってはいけないことをわたしたちが決めた、
国のおおもとのきまりです。

戦争したい人たちには、
つごうのわるいきまりです。

そこで、「わたしたちの国は、戦争に参加できる」と、
「憲法」 を書きかえます。

さあ、 これで、 わたしたちの国は戦争できる国になりました。

政府が 戦争する と決めたら、
あなたは、国のために命を捨てることができます。

政府が、「これは国際貢献だ」と言えば、
そのために 命を捨てることができます。

戦争で人を殺すこともできます。

おとうさんやおかあさんや、
学校の友だちや先生や、近所の人たちが、
戦争のために死んでも、 悲しむことはありません。

政府はほめてくれます。

国や「国際貢献」のために、
いいことをしたのですから。

人のいのちが世の中で一番たいせつだと、
今までおそわってきたのは間違いになりました。

一番たいせつなのは、「国」になったのです。

もしあなたが、 「そんなのはいやだ」と思ったら、
お願いがあります。

ここに書いてあることがひとつでもおこっていると気づいたら、
おとなたちに、「たいへんだよ、なんとかしようよ」と言ってください。

おとなは、「いそがしい」とか言って、
こういうことに なかなか気づこうとしませんから。

わたしたちは、未来をつくりだすことができます。

戦争しない方法をえらびとることも。

・・・

・・・

・・・

以前知った子供向けの絵本。

「たいへんだよ、なんとかしようよ」



<今日の逸品>
京都のほうの住宅会社さんのHPデザイン。
プロジェクト自体は成功とは言えないが、
いろんな意味でボク自身学ぶことが多かった。
今、どうなっているかな、いろいろ。

2008-03-08

キノウとキョウの事

昨日は早朝から
予期せぬ出来事があり、
午前中の予定が
大幅に狂ってしまったが、
027氏にプロジェクト最終回の様子を伺うと、
これまでにないほど
良い成果発表会だったとの事。

うれしい。

プロジェクトを通しての感想を
記してもらったアンケートを見ても、
ほとんどのメンバーの方に高評価をいただけた。

うれしい、うれしい。

ボクが担当させていただいた
デザイン・レイアウトの項目も
ありがたいコメントが並ぶ。

うれすぃ~!!

ただ、勉強会の内容に対する評価は、
今後、営業の最前線で結果に繋がったときに、
はじめて成功といえる。

最終回に参加できなかったのが、
とっても残念だが、
また関われる日も来るだろう。

頑張っていきましょう。

午後の地元再発見プロジェクト。

準備したデザインもろもろと、
調査してまとめた資料もろもろ。

全て順調に進んでいく。

大船駅や地元を走るバス、
その他主要なポイントに
ボクのデザインした看板が
掲げられることになりそうだ。

お客さんが集まって、
この分譲地で契約していただいて、
住民が増えていって、
地域がさらに活性化されて・・・。

今のマチクリの任務を通して、
少しは地元にも貢献できそうだなぁ。

頑張っていきましょう。

今日はコアデーのため、
メンバー全員が銀座に集まってのミーティング

来週以降の動き方を共有して、
再びそれぞれの戦場へ散っていく。

元気の源の補充も完了。

頑張っていきましょう!!


<今日の逸品>
2月29日のブログで紹介した
こげ茶なデザイン。
以前、某消費者金融のCMで
チワワを飼っていたお父さん
・・・ではありません。


2008-03-05

謙虚にいきましょう

仕事を兼ねて
地元再発見の旅へ繰り出す。

良く買いモノに出掛ける一帯なのだが、
いつも大体決まった道しか通らないので、
一本隣り、一本奥の道は発見がいっぱい。

バリ島雑貨の小物屋があったり、
新しい道が開通してたり、
見晴らしの良いスポットを見つけたり、
以前は無かった住宅街が出現していたり・・・。

最近の鎌倉行政は、
大船観音横へのマンション建築問題や、
鎌倉野菜の農業地域への
バイオ・リサイクルセンター整備問題、
世界遺産登録での書類不正問題・・・など、
たるんだ仕事ぶりが続いているが、
唯一プラスに作用しているのが、
西口側に人が増え、活性化されたこと。

元々大船駅の「表駅」だったが、
大船競馬場ができ、松竹撮影所が移転してきて以降、
「表駅」を東口に譲り、寂れる一方だった西口。

良くも悪くも、
最近の行政のバックアップもあり
西口側の眠っていた土地に
マンションや住宅街が増え続け、
ショッピングセンターができ、
道路が整備されてきた。

今後も、総合病院の移転や
駅前ペデストリアンデッキの整備、
武田薬品研究所の誘致・・・と、
大きな動きが続いていくが、
大前提として、自然との共存に
真剣に向き合うことを忘れずに、
その上で便利な街をつくっていってほしい。

自然に手を付けられるのは神様だけ。

人間はもっと謙虚にいきましょう。

肝心な野立看板の設置場所調査も無事終わり、
「街づくりプロジェクト」も前へ前へと進んでいく。

名刺の裏でうたっているように、
「環境共生したオシャレな街」・・・であるかを
常に自問自答しながら、
デザインの側面からも実践していきたい。


<今日の逸品>
Tホームを除いては
最近めっきり少なくなった
低価格と返済事例をアピールしたチラシ。
今では定番となった家族のイメージ写真も、
この頃は登場してなかったなぁ・・・。
15組も集客できたのは、
やっぱり時代の違いか。

<今日のありがとう>
当投稿にて、
100記事に到達しました。
おめでとう、自分!
ありがとう、皆さん!

2008-03-03

アロマテラピー

初体験。

確定申告をしに、
朝イチの鎌倉税務署へ。

大学を卒業依頼、
ずっと会社員だったので、
これまでややこしい納税関連は、
全て会社任せだった。

昨年は、8月20日に退職して、
同月27日に起業したが、
会社としての諸々の機能が整うまでの、
空白期間分の所得税を申請する必要があったのだ。

何事も初めて・・・というのは、
ドキドキ、ワクワクである。

8時30分受付開始だったので、
10分前に現地に到着すると、
既に10人近くの納税者がウロウロしている。

会社の役員っぽい老人や、
金髪の若いにいちゃん、
着物をきた女性3人組・・・と、
いろいろな人種の方々に混じって、
辺りを物珍しく見渡していると、
税務署の職員に質問をしながら、
申請書を作成していく初心者コーナーが、
隣のプレハブにあるようだ。

こちらの作成コーナーは9時開始だったが、
8時半には受付が始まった。

物腰の優しいスーツ姿の係の方が近寄ってくる。

「今日はどういったご用件ですか?」

「転職の間に抜けている所得税があると思うので、その確定申告と、
住宅購入による住民税の特別減税の申請も一緒に行いたいんですが」

「朝早くからご苦労さまです。
では、こちらの受付シートにご記入ください」

名前、住所、生年月日などを記入すると奥へ案内される。

そこには、何十台ものデスクトップパソコン。

モニターの前では、
先ほどの金髪にいちゃんや
着物の3人組らが既に着席して
開始時間を待っている。

不思議な景色である。

缶コーヒーを飲みながら9時になるのを待っていると、
その間にもぞくぞくと鎌倉市民が集まってきて、
パソコン待ちの長蛇の列ができている。

8時55分。

緑色のお揃いのパーカーを着た職員が
いっせいにプレハブ内になだれ込んできて、
決められたパソコンの前にきれいに散っていく。

ボクの横には、さっき受付をしてくれた
物腰優しいスーツくんがスタンバイ。

持参した源泉徴収票や、
アンケートを確認すること10秒。

「特に追加申請の必要はありませんね」

・・・。

年末調整時に、転職による移行期間分も
全てきちんと処理をしてくれていたようで、
抜けは無かったとのこと。

初体験に備えて、
キモチを整理?していたので、
ちょっと肩透かしを喰らってしまった。

パソコンを使ってどんな風に申請を行うのか
少し興味もあったのだが、
後ろの行列もチラチラと視線に入り、
緑色のパーカーさんからも笑顔で退席を促される。

初体験は未遂に終わったが、
いつか来るであろう「その時」の予行練習にはなった。

確かに面倒くさいが、
こうして税金を自分の手で納めると、
その使われる先にも自ずと興味が沸いてくる。

お願いだから、
職員のためのアロマテラピーを
買うのはやめてね。


<今日の逸品>
○×Lの完成見学会を知らせるチラシ。
シンプル・モダンをアピールする写真の数々を
主役として並べたもの。
それにしても2つの色を使うだけで、
どこから見ても○×Lのチラシになってしまうから、
色の力ってスゴイ・・・。

2008-03-02

日本民族の誇りと自信

今日は訳あって
妻と横須賀まで繰り出す。

いとこが横須賀市の
久里浜に住んでいたので、
子供の頃はよく三浦半島内のスポットにも
遊びに連れていってもらったものだが、
オトナになってからじっくり訪れるのは、
相当久しぶりである。

沖縄での米軍暴行未遂事件や、
横須賀港へ帰還途中のイージス艦と漁船との追突事故など、
世の中を諸々騒がせている折だったので、
米海軍のヨコスカ・ベース近隣にも立ち寄ってみる。

今年は、第7艦隊の空母「キティ・ホーク」に変わって、
原子力空母「ジョージ・ワシントン」が
横須賀を母港として配備される年。

原子炉の安全性から、
地元は複雑な心境・・・と、
以前テレビのニュースで見ていたが、
基地前のどぶ板通りやカフェ、
ショッパーズプラザで見かける
米人と地元横須賀民のやりとりは、
以前と変わらず笑顔と笑顔だった。

難しい問題もいろいろあるだろうが、
接点となる人と人のふれあいを身近に感じて、
少しだけ安心した。

そんな横須賀基地の隣にある三笠公園。

戦艦と噴水のある公園、
いとこと走り回った広い公園・・・くらいの
印象しか持っていなかったが、
今日あらためて、
その戦艦の深い歴史の真実を知って、
027氏ではないが、胸が熱くなった。

「戦艦みかさ」

日露戦争において、
東郷平八郎率いる大日本帝国連合艦隊の旗艦として、
終始敵の集中砲火の中で奮闘し、
日本海海戦では、バルチック艦隊を全滅させ
世界史の流れを大きく変えた日本海軍の代表的な戦艦・・・。

説明は続く。

この偉業を成し遂げた
日本民族の誇りと自信を新たにすると共に、
その栄光を永く後世に伝えるために、
そのシンボルとして、ここで永久に保存する。

US NAVYの横須賀ベースと、
大日本帝国の戦艦みかさ・・・。

並んでいるだけに、
余計にいろいろと考えさせられた
日曜日の夕方であった。


<今日の一枚>
戦艦みかさの勇姿。
先端には黄金の菊の御紋が輝いていた。
「今日の逸品」のネタが無くなった訳ではありませんので・・・。