2008-03-10

戦争のつくりかた

絵本
戦争のつくりかた

あなたは戦争がどういうものか、
知っていますか?

おじいさんやおばあさんから、
むかしのことを聞いたことがあるかもしれません。

学校の先生が、
戦争の話をしてくれたかもしれません。

話に聞いたことはなくても、
テレビで、戦争している国を見たことなら、あるでしょう。

わたしたちの国は、
60年ちかくまえに、
「戦争しない」と決めました。

だからあなたは、
戦争のためになにかをしたことがありません。

でも、 国のしくみやきまりをすこしずつ変えていけば、
戦争しないと決めた国も、戦争できる国になります。

そのあいだには、たとえば、こんなことがおこります。

わたしたちの国を守るだけだった自衛隊が、
武器を持って よその国にでかけるようになります。

世界の平和を守るため、
戦争でこまっている人びとを助けるため、と言って。

せめられそうだと思ったら、
先にこっちからせめる、
とも言うようになります。

戦争のことは、
ほんの何人かの政府の人たちで決めていい、
というきまりを作ります。

ほかの人には、
「戦争することにしたよ」 と言います。

時間がなければ、 あとで。

政府が、戦争するとか、戦争するかもしれない、と決めると、
テレビやラジオや新聞は、
政府が発表したとおりのことを言うようになります。

政府につごうのわるいことは言わない、
というきまりも作ります。

みんなで、ふだんから、
戦争のときのための練習をします。

なんかへんだな、 と思っても、
「どうして?」 とは聞けません。
聞けるような感じではありません。

学校では、いい国民は何をしなければならないか、
をおそわります。

どんな国やどんな人が悪者か、もおそわります。

町のあちこちに、 カメラがつけられます。

いい国民ではない人を見つけるために。

わたしたちも、 おたがいを見張ります。
いい国民ではない人がまわりにいないか と。

だれかのことを、いい国民ではない人かも、
と思ったら、おまわりさんに知らせます。

おまわりさんは、
いい国民ではないかもしれない人をつかまえます。

戦争が起こったり起こりそうなときは、
お店の品物や、 あなたの家や土地を、
軍隊が自由に使える、というきまりを作ります。

いろんな人が軍隊の仕事を手伝う、というきまりも。

たとえば、飛行機のパイロット、お医者さん、看護師さん、
トラックの運転手さん、ガソリンスタンドの人、建設会社の人などです。

戦争には、お金がたくさんかかります。

そこで政府は、税金をふやしたり、
わたしたちのくらしのために使うはずのお金をへらしたり、
わたしたちからも借りたりして、お金を集めます。

みかたの国が戦争するときには、
お金をあげたりもします。

わたしたちの国の「憲法」は、
「戦争しない」 と決めています。

「憲法」は、政府がやるべきことと、
やってはいけないことをわたしたちが決めた、
国のおおもとのきまりです。

戦争したい人たちには、
つごうのわるいきまりです。

そこで、「わたしたちの国は、戦争に参加できる」と、
「憲法」 を書きかえます。

さあ、 これで、 わたしたちの国は戦争できる国になりました。

政府が 戦争する と決めたら、
あなたは、国のために命を捨てることができます。

政府が、「これは国際貢献だ」と言えば、
そのために 命を捨てることができます。

戦争で人を殺すこともできます。

おとうさんやおかあさんや、
学校の友だちや先生や、近所の人たちが、
戦争のために死んでも、 悲しむことはありません。

政府はほめてくれます。

国や「国際貢献」のために、
いいことをしたのですから。

人のいのちが世の中で一番たいせつだと、
今までおそわってきたのは間違いになりました。

一番たいせつなのは、「国」になったのです。

もしあなたが、 「そんなのはいやだ」と思ったら、
お願いがあります。

ここに書いてあることがひとつでもおこっていると気づいたら、
おとなたちに、「たいへんだよ、なんとかしようよ」と言ってください。

おとなは、「いそがしい」とか言って、
こういうことに なかなか気づこうとしませんから。

わたしたちは、未来をつくりだすことができます。

戦争しない方法をえらびとることも。

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・・・

以前知った子供向けの絵本。

「たいへんだよ、なんとかしようよ」



<今日の逸品>
京都のほうの住宅会社さんのHPデザイン。
プロジェクト自体は成功とは言えないが、
いろんな意味でボク自身学ぶことが多かった。
今、どうなっているかな、いろいろ。

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