2008-03-25

現実と虚構の境界

今日はデザイン業務の
大部分を画像加工に費やす。

平面図の中に、
本来あるはずのない
ドアや腰壁を出現させたり、
写真に写っていては具合の悪い
代物を削除したり、
曇り空を青空にしたり・・・。

元々細かい作業は
苦にならないほうなので、
数百倍に拡大したドットを
チマチマと修正しては、
全体画面で確認して、
またチマチマと・・・を繰り返す。

ここまでくると、
グラフィックデザイナーというよりは、
国宝の傷みを修復する修繕技師や、
米粒に絵を描く職人に近い領域である。

途方も無く過ぎていく時間の中で、
どこでOKとするかの判断が難しい。

それにしても、この画像加工
・・・ある意味反則である。

履歴書に貼る自分の顔写真を、
納得がいくように修正する学生・・・。

写真展で最優秀賞を獲得した作品
(たしか鉄橋を渡る汽車の下の河原を
群れで走る鹿の写真だったと思う・・・)が、
その後合成写真だったことが判明・・・。

グラビア写真やアイドルの写真集で、
シミやしわを消したり、顔色を良くしたり・・・
の加工は既に常識・・・。

映像の中でも、映画の世界でも、
もはやどれが本物でどれがCGなのか
区別が付かなくなっている・・・。

加工技術が進歩していく中で、
それを受け止めるヒトも、
本物を見極める目を
磨いていかなければならない。

まぁ、個人的には、
偽者を偽者と宣言して、
それを承知した上で受け入れるのは
アリだと思うが・・・。


<今日の逸品>
昨日に引き続き、“季節”つながり。
四季を楽しめる分譲地、
ロゴデザインのイメージボード。
特徴のない分譲地が、
後付けコンセプトで生まれ変わった例。

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