2009-12-22

ココロ動かすデザイン

職業柄・・・
というか趣味もあるが、
世の中に溢れる
広告やデザイン、
CM、アートなどには
自然とアンテナが伸び、
ココロ奪われたり、
首を捻ったり、
ニヤっとしたり、
ネタ帳に記憶したり
・・・と一喜一憂している。

そんなさまざまな
自分のリアクションの中で、
以前ほど「感動」するような
デザインに巡り合えなくなった
・・・ような気がする。

世の中の広告アイデアが
雑巾を搾るほどに出尽くしてしまい、
何処かで見たようなアプローチが
ループしているのか。

デザイナーとして経験を積んで、
ボクの中の引き出しが増えたのか。

歳を重ねることで、
感受性が鈍ってしまったのか。

・・・そんな中、
久し振りに「感動」する
デザインと対面した。

それは、
著名なアートディレクターの
ブランド広告ではなく、
大手有名企業のCMでもなく、
ご支援先のパートナーがまとめた
ロケーションブックという
手作りの雑誌である。

分譲地の周辺環境を
自分達で調査して、
それを分譲地選びの
5つの視点からまとめ、
家探しをされているお客様に、
「ここに住めばこんな生活が待ってるんだ!」
という疑似体感をしてもらう。

・・・そんなツールで、
マチクリがデザインした
表紙とテンプレートをベースにして、
パートナー自身(営業マンやアシスタントさん)が、
パワーポイントを駆使してまとめていく。

この手作り雑誌に、
ココロを動かされてしまった。

デザインに関しては、
素人の皆さんがまとたものなので、
デザインのルールや、色彩計画、
レイアウトのバランス等は、
キレイにまとめてあるとは言い難く、
手作り感、丸出しである。

しかし、
そんなことが吹き飛んでしまうくらい、
このロケーションブックは・・・
 ・紙面から息遣いや呼吸が伝わってきて、
 ・ワクワクするような発見があり、
 ・作り手が楽しんでいる様子が目に浮かび、
 ・何とも言えない勢いに圧倒され、
 ・気がつけば自分がそこで暮らしてる想像をしている。

現場に密着して、
本人自らが体感して、
感じたそのままを
自分の言葉で表現すること・・・。

流行りのデザイナーに頼んでも、
最先端のデザインソフトを使っても、
敵わない領域である。

デザインというと、
見た目ばかりに目が行きがちだが、
(もちろん見た目が良いに越したことはないが)
人の心に届く“芯”の部分が、
何よりも重要な要素なのだ。

ボク自身も常に心に刻まなければ・・・と
再認識させられた。

いつもの流れとしては、
パートナーさんがまとめた
ロケーションブックの原稿を
マチクリで引き継ぎ、
最後に「リ・デザイン」して
完成となるのだが、
この分譲地に関しては、
どこまで手を加えたら良いのか、
加えない方が良いのか、
デザインルールに沿って
調整したほうが良いのか、
素人らしさを残したほうが良いのか、
他とは違う部分で悩ましい・・・。

何はともあれ、
感動をありがとう!


<今日の逸枚>
夕日に浮かぶイチョウの木。
雲に手が届きそうな身長だが、
いつの時代からここに佇んでいるのだろう。
国道1号線=東海道沿いなので、
参勤交代の大名達の姿も
同じように見降ろしていたのかな。

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