2008-09-23

うろこ雲と風俗嬢

秋分の日。

うろこ雲のたなびく
真っ青な秋の高い空に
気を奪われながら、
午前中いっぱいは、
目の前に積み重なり始めた
デザイン業務に費やす。

だいぶ視界が開けてきたところで、
お彼岸の墓参りに藤沢へ。

祖父が藤沢に住んでいたことがあった縁で、
藤沢本町の永勝寺・・・という
縁起の良い名前の寺が、
我が家の菩提寺となっている。

途中で花を買いに寄り道しながら
ドライブすること20分、
永勝寺に到着。

さすが秋分の日だけあって、
駐車場も墓参りの家族でいっぱいだ。

キラキラと陽射しは眩しいが、
太陽も力強さを失っていて、
キリッとした空気は
深呼吸も気持ちがイイ。

墓周りを掃除して、
花を活けて、
線香に火を付けて、
手のしわとしわを合わせて・・・。

お墓を訪れた後は、
何とも言えず清々しい。

この永勝寺、
東海道五十三次の
藤沢の宿が近かったので、
その宿場で働き亡くなった
「飯盛り女の墓」があることで
有名な寺である。

飯盛り女というと、
給仕係をイメージするが、
その実態は宿場の非公式な遊女で、
いわゆる遊郭よりも手軽に遊べる
江戸時代に繁盛した
風俗だったらしい。

今の風俗嬢のように、
遊ぶ金欲しさに
気軽に働くのと違って(偏見ですね・・・)、
当時の飯盛り女は、
貧しい農村などから
泣く泣く身売りされてきた
女の子が多かったのだろう。

寄り添うように立ち並ぶ墓石に、
心から手を合わせる。


<今日の逸枚>
永勝寺の正門。
門の横には、
ぎっしりと銀杏の実を付けた
イチョウの大木が鎮座している。

0 件のコメント: