2007-10-07

秋の海

昔から、海水浴客の歓声が消える、
秋の海が好きだった。

タイヨウが沈みかけ、
潮風がキリッと表情を変える17時、
右に江ノ島を見ながら、
鎌倉方面へ車を走らせると、
左側に続く、オーシャンビューのレストランには、
せつない明かりがポツポツとともり、
波を見つめるカップルが、
何か微笑んで話をしているシルエット・・・。

なぜだろう?

淋しがりの自分のはずなのに、
この秋の風景と時間と空気が、
とっても恋しくなる瞬間がある。

勘の鋭い助手席の妻が尋ねる。

「このレストラン、来たことあるんだ~」

「誰と来たの?」

「・・・」

秋は、ボクの中で一番思い出の詰まった季節。

いろいろなスタートがあり、いろいろなジエンドがあり、
ハプニングがあり、アクシデントがあり、
ハッピーがあり・・・。

こうしてデザインの仕事をしているのも、
鎌倉の、秋の、夕暮れの、
レストランでの、○○の一言がきっかけだった。

過去の全ての経験が、
今のボクの道をつくっている。

だから、無駄だった経験や、
無駄だった出逢いはひとつもない。

・・・そのことを確認できて、
明日からの勇気が沸いてくる秋。

そうか、だから好きなんだ。

<今日の逸品>
過去のご支援の中で最北端の分譲地。
北海道江別市にはためく
オレンジとグリーンのノボリの中で、
小学校の時に習っていた
書道の筆をマウスに持ち替えて、
子供と木々を表現した筆絵文字風のロゴが
子育ての街への来訪者を歓迎する。

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