2007-09-29

空気の匂い

雨模様の土曜日。

来週、都内の高級分譲地売り出しの
スタートアップミーティングを控えるクライアントさん。

そこで完成させる「ロケーションブック」の仕上げのため、
朝から、自宅にこもってのデザイン作業。

気分転換に窓を開けると、
頬にキーンとした10月の空気が流れ込んできた。

一瞬に、タマネギ乾燥小屋の点在する畑の風景が蘇る。

淡路島、洲本の風景だ。

自分だけではないと思うが、
昔から、気温、空気の匂い、音・・・と、
脳裏の思い出が結びついていて、
この季節になると、淡路島に居た7年前の自分が現れる。

社会人3年目が、
ボクの1回目の転機だった。

住宅FC本部Uホームのマーケティング課で、
キャンペーンの企画やチラシ・ツールのプロデュースをしていたが、
(このときは、あくまで「企画」「プロデュース」でデザインはしていなかった)
実際の現場を知るため、加盟店で家を売ることになった。

出向先の社長さんの考え=3ヶ月毎に店を変わる方針で、
やっとその土地の特性・地名を理解して、
軌道に乗り始めたころには次の店へ異動した。

今振り返っても、よく頑張ったものである。

4月1日からの出向先に決まったのが、徳島県の石井町。
7月から、同じく徳島県の三加茂町。
そして10月に移ったのが、兵庫県の洲本市だった。

因みに、洲本は訳あって2ヶ月で引き上げ、
次の三重県伊勢市で1年以上を過ごすことになるのだが・・・。

当時、付き合っていた彼女の家で暮らしていたボクは、
用意してくれた淡路島の家には戻らず、
仕事を終えると、毎日、大鳴門橋を越えて、
徳島市内のマンションまで車を飛ばしていた。

その帰り道、神戸淡路鳴門自動車道で、
車の窓を開けたときの空気。

これまでに33回、
10月の空気に触れているはずなのだが、
何故か、他の年にはプレイバックしない・・・。
人間の脳って、不思議な構造である。


<今日の逸品>
過去にデザインしてきたチラシの中で、
5本の指に入るキモチのいいチラシ。
素材として入手した「空を見上げるモデルハウス」の
写真のイメージをチラシ全体に波紋させることを第一に考え、
「空気感」を大事にしたことが、作り手のこだわり。
青・白ベースの中にアクセントとして散りばめられた
黄・橙・赤・青丸の存在が効いている。

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