2010-07-03

あたらしいいのち

朝、
いつものように
庭へ出ると、
木の実のような塊が
足元でピョコピョコ
動いている。

何が起きたのか、
一瞬わからなかったが、
しばらく観察していると
木の実の一部が割れ、
白と黒の鮮やかな模様が
目に飛び込んできた。

アゲハだ。

木の実のように見えた塊は、
蝶のサナギだったようで
おそらくエゴの木に
つかまっていたものが、
何かの拍子に
下へと落ちて
しまったのだろう。

新しい命の誕生って
ホントに神秘的だ。

まぁ実際には、
卵から孵化後、
イモムシ、サナギへと
変化してきているので、
今、この瞬間に
いのちが誕生した
訳ではないが・・・。

“木の実”の塊から
右上の写真の状態に
なるまで4~5分。

ヒトの視線を感じながらも、
写メの音に驚きながらも、
なんとか外界へと
出てこられたようだ。

おめでとう!

ヒヨコは、
最初に目にした物体を
自分の親だと勘違いして、
どこまでもついてくるらしいが、
このアゲハは、
朝刊を取りに一瞬目をそらした隙に
どこかえへと消えてしまった。

夕方、
庭木の水やりに外へ出ると、
家の前の路上を
不自然にバタバタとはばたく
蝶が一匹。

今朝のアゲハだ。

あれから、
もう8時間は
経過しているのに、
お尻部分のサナギの殻が
うまく取れないようで、
上空へと羽ばたくことができず、
地面すれすれを
ヨロヨロ、パタパタ…。

引っ張って
取ってあげようと試みるも、
敵と思ったのか、
不自然な低空飛行のまま
川のほうへと行ってしまった。

無念…。

その後、
うまく外れただろうか。

外れずに
蜜を吸うことができず
空腹で彷徨っているか、
それとも、鳥にでも
捕まってしまったか、
車にひかれてしまったか・・・。

いのちって・・・
いきることって・・・
どうしようもないほど
残酷だ。


<今日の逸枚>
この写真が
遺影となっていないことを
心から祈りたい。

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