2009-12-14

たまには説教でも・・・

大船のカフェで、
まったり時間を過ごしていると、

大きなキャリーや筒を持ち
3年先をいく(?)ファッションに
身を纏った学生風の集団に
出くわすことがある。

芸大や美大への
合格実績では神奈川No.1の
実績をほこる芸術系予備校、
S南美術学院の生徒さん達だ。

(ボクらが学生の頃は、
 K沢アトリエって名前だったなぁ)

先日も、
隣の席に座った
女の子2人、男の子1人の
デザイナーの卵たち、
(いや美大生の卵たちか・・・)
が、将来を悲観して話していた。

「普通のビジネスマンでも、
職が見つからない時代らしいのに、
デザイナーで食っていけんのかなぁ・・・」

「広告費が削られてるってことは、
デザイナーも削られてんだよねぇ」

「先輩が言うには、ゼネラリストよりも、
スペシャリストが重宝される時代だって」

人間観察が大好きなボクは、
ついつい聞き耳を立ててしまった・・・。


夢と希望に満ち溢れてるハズの
学生さんたちにとっても、
今の時代は不安でいっぱいのようだ。

ボクの経験からひとつ言えること。

・・・それは、
グラフィックデザイナーという仕事を
職人や芸術家のように考えるのはもう古くて、
DTPが浸透した現代のデザイン業界では、
むしろビジネスマンといったほうがしっくりくる
・・・ということ。

芸術道だけを突き進み、
自分の生み出した作品で世間を驚かす!
・・・でやっていける人もモチロンいるが、
そんな人は一握りの天才だけ。

ボクを含めた大多数の普通の人が、
芸術道だけを突き進んだら、
それこそ目もあてられない。

逆に言えば、
世の中で活躍している
大多数のグラフィックデザイナーは
元来、普通の人である訳で、
普通の人である以上、
デザインや芸術以外のカテゴリーとして
ボクらの周りに存在する諸々も
普通に知っていなければいけない。

その上で、
他の普通の人よりも、
“ちょっとだけ”デザイン分野に詳しければ
それで堂々とグラフィックデザイナーで
生活をしていけるのだ。

・・・しかし、
世間を見渡すと、
この“普通のこと”が欠落した
“ちょっとだけ”デザインに詳しい
デザイナーがやけに多いように感じる。

ビジネスマンとして論外なデザイナーに、
仕事が回ってこないのは当然だ。

未来を背負って立つ
隣の席の原石くんたちには、
有名グラフィックデザイナーを目指す前に、
ぜひ、優秀ビジネスマンを目指してもらいたい。

グラフィックデザイナーの
地位向上を願って。


<今日の逸枚>
そんなデザイナーを目指す人たちに
ボクがオススメする一冊はコレ。
デザインのコツやテクニック、
流行やセンスを学ぶなら、
分厚い参考書やテキストを
何十冊と読むよりも、
世の中に溢れている優れたデザインに
たくさん、たくさん触れること。
・・・で、デザインと現場の作法を
この本で掴めばOK!

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