2010-01-05

建築物探訪<高知編>

昨年の4月に、
長崎の軍艦島の
立入禁止が解除され
ブームとなったが、
この軍艦島と
並んで、
「日本の九龍城」と
呼ばれている
不思議な建築物が
高知県にある。

テレビや雑誌にも
取り上げられる
「沢田マンション」
・・・である。

調べてみると、
この沢田マンションは、
高知市の沢田嘉農さん夫妻が、
1971年から30年かけて
ホームビルドした鉄骨6階建ての
賃貸集合住宅で、
増改築に増改築を繰り返した結果、
現在のような不思議な
形状になったらしい。

主な特徴は以下の通り・・・

 ・住人が室内を改築して構わない。
 ・マンション本体も頻繁に増築。

 ・図面は沢田氏のアタマの中にだけある。
 ・後付けで5階まで車でのぼれるスロープがある。

 ・同じ間取りは無く、5階と屋上の建物と庭は大家さんち。
 ・廊下・バルコニーに面した居間は

  掃き出しガラス戸で中が丸見え。

 ・リビングアクセス=長屋の路地裏のようなバルコニー。
 ・建築史の中でも特筆される建物で、

  建築家の間でも設計センスに注目。

 ・ル・コルビジェ等の近代建築家と引き合いにされる。
 ・長崎軍艦島と並んで、日本の九龍城と呼ばれる。

 ・当初の構想では10階建て・戸数100世帯という壮大なもの。
 ・家賃は2万円~5万円程度でバラツキがあり、

  面積や日照、備品状況を勘案。

 ・中にはカフェや雑貨屋、ウィークリーマンションもアリ。
 ・度重なる行政指導や工事中止命令などの軋轢も経験。

 ・建築確認申請が出ていないため、違反建築物に該当。
 ・しかし私有財産権や入居者の居住権の問題から

  有効な指導は難しく現在にいたる。 

ホントに不思議なオーラを放つ空間である。

龍馬ついでに、
こちらも一見の価値アリだ。

また、関連書籍やWEBでの特集、
住民ブログなどもあるようなので、
興味のある方はぜひ。

所在地:高知県高知市薊野北町1-10-3


<今日の逸枚>
その沢田マンションの雄姿。
年末年始に里帰りした際、
義父と地デジ対応TVを買おうと、
ヤマダ電気に買い物にいった際、
その裏にそびえ立つ異様な光景に、
一目でソレとわかり、シャッターをきる。



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